2013.08.16

映画 「英国王のスピーチ」

 

 

 

どうもこんにちは、橋本です。

 

本日は映画「英国王のスピーチ」について、

紹介したいと思います。

 

前々から観たいと思っていたこの映画ですが、

先日やっと借りてみることができました。

以前までみんな借りられていて観る事ができなかったのです。

 

結論から言いますと、この映画、とても良かったです。

でも無理して観なくてもいいです、と思います。

お時間があれば是非みてください。

 

おおまかな内容は以下のようになっています。

 

スピーチできない男が、

国王になった─。

吃音に悩む英国王ジョージ6世が

自らを克服し、国民に愛される

本当の王になるまでを描いた

感動の実話。

 

と、公式サイトにあり、

 

吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世(コリン・ファース)とその治療にあたった植民地出身の平民である言語療法士(ジェフリー・ラッシュ)の友情を史実を基に描いた作品。

 

と、wikipediaにあります。

 

 

吃音→きつおんと読みます。

予告の映像では「内気な国王が〜」と言ってますが、

別に内気だから吃音なわけではないのですね。

 

 

とりあえず、内容は、そんな感じです。

大事なときや、高揚したとき、伝えたい事があればあるほど、

どもってしまう、という症状を持つ国王(ジョージ6世)。

と、それを助ける言語療法士(ライオネル・ローグ)の物語。

一応、実話を元に、としていますが、もちろん脚色はされているようです。

 

 

良かった部分、ピックアップしていきます。

 

 

 

・映像

映像がとても良かったです。

1シーンずつ、ほんとうにこだわって考え抜いて撮影されていると思いました。

カメラワークと絵の切り取り方に神経を使っています。

印象的だったのが、要所要所に置かれたワンカットでのロングシーンです。

階段を下りながら喋るシーンとか、会場に入っていくシーンとか、

クレーンや何かをいろいろ使用して撮っていると思うのですが、

すごく自然でスムーズで、このシーンをこう撮りたい!という

監督の思いが伝わってきた気がします。

また、それとは対照的に、カメラをいくつも使用して

パッパッと切り替えるシーンがあったのも印象に残っています。

ジョージ6世がまだ王位に就く前、兄のデイヴィッド王子が

小型のセスナ機で草原に着陸する際、異常なほどのカメラの切り替えがありました。

あれは何を伝えたかったのかよくわかりませんが、なんか良かったです。

ぼかし具合(被写界深度)も、とても奇麗でした。

一眼レフで撮ったような写真の連続で、とても素敵です。

部屋の壁紙も素敵でした。

メインのストーリーがわりと地味なのですが、しっかりと魅せられます。

 

 

 

・メインストーリーとサブストーリーのバランス

王位の継承や開戦、その他スキャンダラスな物事にフォーカスを当てれば、

それだけでメインのストーリーになり得るものばかりです。

しかし、その大きな物事をサブストーリーとして扱い、

吃音を克服する、という地味だけど深刻な事態にスポットを当てています。

そのサブストーリーとメインストーリーのバランスがすごい、と思いました。

なんと言えばいいのでしょうか…。

最後が開戦のスピーチで幕を閉じるのですが、

見終わったときに、これぞ映画だ、と思った気がします。

映画は作り物なので当たり前なのですが、

ちゃんとそこで物語が終わった気がするのです。

ほんとうはそこから戦争が始まってスピーチは何度も繰り返されるはずです。

なのですが、ちゃんと物語はそこで終わってる。

物語がそこで終わりだよ、という事をちゃんと表現できてる、というか。

ぬぉ〜なんて言えばいいのか。

これから開戦で全然ハッピーじゃないのにハッピーエンドっぽく見えたのがすごいな、

と思ったんです、多分!

それは、映画がちゃんとその吃音を乗り越えるという事象に正しくフォーカスを当てられてたからなんです。

多分、バランスを間違えたら、他の物事が干渉してきて気になってしまうはずなんです。

兄どうなったの、とか。

これからも、どもるのだろうか、とか。

ちゃんと王の仕事はできるのだろうか、とか。

いろいろ。

それがあまり気にならず、ひとつの終わりを作れたのが、すごいです。

映画としてちゃんと完結している、そして完結のさせ方がうまい、と思ったのです。

 

 

 

・小道具とか

映画の舞台がちょっと前の時代なので、小道具なんかも古いです。

目を引いたのが、マイクやレコード再生機や録音機。

レコードの録音機が出てくるのですが、

あれはマイクで拾った音を直接削っているのでしょうか。

なかなかおもしろい機械でした。

あとスピーチ用に設営されているマイクがバネで固定されていたり、

そういうのを見て、あ、あれは振動による雑音を防ぐためだな、とか、

そういうのが見ていておもしろかったです。

また、多分ラジオがまだ普及したての頃なのでしょうか、

放送自体が珍しい感じで、それに緊張していた場面がありました。

今の時代では誰もがそこまで苦労せずとも放送ができてしまうので、

まだ放送のない世界で自分の声が全国に流れると思うと

確かに、緊張するな、って思いました。

 

 

 

・そのほか

全体的にあまり抑揚がないのが良いですね。

小さい抑揚、ちょっと面白かったりちょっと危なかったり、を行ったり来たりします。

爆発シーンもなければ抱き合って喜ぶシーンもない。

血が流れるシーンもなければ感動で涙を流す部分もない。

そんな感じで結構淡々と進んでいきます。

じゃあなにがあるの?と言われたらそれは、

心の揺らぎ、です。

小さな喜びや悲しみや怒りや達成感が、常に働いてる、という感じです。

まったりと観ていられる映画だと思います。

あと、エリザベス妃を演じているヘレナ・ボナム=カーターという女優さんが出てきますが、

夏木マリに見えます。

表情の作り方が、どこか日本人的な気がします。

 

 

とりあえず、こんなところでしょうか。

 

とにかく、映画として、良いです。

 

私の場合は観て人生が変わるとか勇気づけられたとかは無かったのですが、

やっぱりビジュアルがとても素晴らしかったので、それだけでも見る価値はあると思います。

でも別に観なくてもいいとも思います。

 

 

観るのであれば、夜、アルコールの低いお酒をちびちび飲みつつ観ればいいと思います。

 

 

それでは、今日はそんな感じで!

 

 

お元気で!