2013.11.07

文学フリマが終わって

 先日、11月4日、文学フリマというイベントが終わりました。文学作品の展示即売会です。初めての参加でしたが、こんなものかというのがなんとなくわかりました。コミティアという、似たようなイベントには出た事があるので、大体のつくりはそれと同じようなものだったと思います。

 

 しかし、一つ。人が少ない。

 

 おそらくブースの場所の関係もあるのですが、常に閑散としておりました。これは切ない。通り過ぎる人の絶対数が少なければ当然存在すら把握されないまま終わってしまいます。ディスプレイの甲斐もあってか、通りかかった人は高確率でブースに立ち止まり、立ち読みをしていったりしてくれました。なので、もっと人が多かったらとても良かったのにな、と思いました。ちなみにお隣は「ひんやりデブ」さんのブースでしたが、その強烈な名前に吸い寄せられてひんやりさんの本を立ち読みしている人も多かったので、もっと人が多ければたくさんの人が立ち止まって売れただろうに……、と思っています。

 

 しかもブースの料金がコミティアとほぼ同じく一人5000円で、同じ金額なのに人の数が圧倒的に少ないのはやるせないな、と感じました。切なかったです。そして隣のサークルの方がブースの前に立って呼び込みをしていただのでこれも悲しかったです。前に立たれると自分のブースがお客さんの目に入らなくなってしまうんですよね。コノヤロウと思いながら、しょぼんとしてました。あげくにこちらのブースの前まで塞いだりしていたのでホントコノヤロウと思いながら睨んでいたらその人が「本見ていいですか?」と話しかけてきたので「あい」と無愛想に返事をしてみてしまってそれも悲しかったです。

 

 終始、これは何か間違っているのではないか。という思いがありました。効率が悪すぎるのではないか、と、そんなことを悶々と考えていました。人が少ないこともあって、なんとなく、やりたい側がただ集まってやってる感がありました。この感覚、何かに似ていると思ったのですが、人のいないライブハウスでした。出演者達がライブハウスにお金払って客のいないステージで演奏をする、あれに似ているのです。名前の知らない聴いた事もないバンドなんか見にいこうと思うわけもないし、そもそも興味がなければライブハウスに入ろうとも思いません。

 

 今回体験した文学フリマはまさにそれでした。出店する前にあらかじめ来る客を確保しなければならなかったのでしょう。そうでもしないと客の数が少なすぎて出るだけ損だと、思いました。もし客の数が多ければ出店するだけで宣伝や広報活動にもなり得ますが、今回はそれによる効果はほとんどありませんでした。やるしかないのです、と思いました。はあはあひいひい言いながら苦い水を飲んで苦い虫を噛んで無様に転がってボロボロの布切れになって死んでしまうまで頑張ろう、と思いました。

 

 それでも、幾人かの買っていただいた方には感謝をしております。嬉しかったですし、くださいと言われたときには感動しました。一人一人死ぬまで愛したいと思いました。知っている人も訪れてくださいましたが、大半が知らない方で、その場で手に取って読んで買ってくれました。そのたびに、ああ、もっと人が通れば……、とやきもきしていました。きっと素晴らしい本なので、そして見てもらえるとやはり買っていただけるようなので、もっとたくさんの人に見てもらいたいと思いました。

 

「俺たちの音楽は素晴らしいんだ! まず聴いてくれ! 聴いて良かったらライブハウスに足を運んでくれ! そしてCD買ってくれ! 友達にも勧めてくれ!」と声を荒げるバンドマンと同じです。

 

 まず音楽を聴いてもらわなければ、まず文章を見てもらわなければ。

 そこから頑張りましょう。

 そんなふうに、リベンジを誓いました。

 次回も出ると思いますが、その時は一皮向けて帰ってくると思います。

 買っていただいた方、立ち読みしてくれた方 、ほんとうにありがとうございました。
 (通販はただ今、準備中らしいです)

 



 ( U・A・)ノシ<がんばるぞー!