2013.07.11

いくえみ綾 「私がいてもいなくても」(3)

 

 

こんにちは、橋本です。

 

 

三回に渡ってお送りしてきました。

いくえみ綾さんの「わたしがいてもいなくても」の見所について。

まさかこんなに長くなるとは思ってませんでした…、すみません…。

でも本当は一コマ一コマにコメントしたいくらいなんです。

 

しかしこの調子でやってたら全10巻のものとか大変なことになるな…。

と、心配しています。

そのときはまた何か考えます。

 

 

詳しい詳細は前々回前回のコチラを読んでみてください。

ちなみに前回から絵をつけることにしました!

 

 

あらすじ

主人公であるフリーターの安倍晶子(あべしょうこ)(18)がいろいろある。

 

 

登場人物

安部晶子(あべしょうこ)フリーター

神田川真希(かんだがわまき)漫画家 晶子の同級生

日山一(ひやまはじめ)漫画家 真希の恋人

菅野剛史(かんのたけし)晶子の恋人、途中で別れる

細野カレン(ほその)真希のアシスタント

(※wikipediaでは剛司となっていますがコミックスでは剛史です)

袖野美穂(そでのみほ)晶子の友人

 

 

二巻の最後は真希の宣戦布告(?)で終わりました。

どうなるのでしょうか。

物語がどう終わるのか、興味津々なところです。

 

それでは、三巻のオススメシーンまいりましょう!

 

 

・上下逆さの安倍さん

冒頭の安倍さんが寝ているシーンです。

いくえみさんの漫画では寝ているときの表現で上下逆に描くことが多い気がするのですが、

白と黒の配置の仕方がイラストというか、一枚の絵っぽくて良いです。

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(ほんとうは黒バックです)

 

 

・早起きの剛史と徹夜明けの日山

同じアパートに住んでいて(隣同士)、朝のゴミ捨て場で会う二人。

ここでのやりとりが間抜けで面白いです。

剛史と日山のテンションの差が作り出す空気が良いです。

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(ちょっと漫才っぽい二人) 

 

 

・人がいっぱいいる

安倍さんがティッシュ配りをしている場面で、真希と(日山と)出会ったときのことを思い出します。

「ああ 人が いっぱい いる」

なのになんで、彼らと出会ったのだろう、と思っているんだと思います。

回想とか意識とかを表現するときのトーンの使い方が素敵です。

この絵ではわかりませんが。(涙)

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(空気感が良いとこです) 

 

 

・自分は いてもいなくてもよかったんだ

安倍さんがティッシュ配りをしているときに、父親の葬儀を終えた日山を見つけます。

二人はそのままご飯を食べにいきます。

ここらへんの一連のシーンはどれも幸せそうで良いです。

ここで、日山が「自分は いてもいなくてもよかったんだ」と言います。

そこで安倍さんの心(トラウマ?)とシンクロします。

良いところです。

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(この回は全体的にあったかくて好きです) 

 

 

・ここ 感動するところ……

上記のシーンの続きで、日山を慰める(?)安倍さん。

泣きながら笑って台詞を言うのですが、素敵です。

心がきゅっとなる場面ですね。

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(泣く安倍さん) 

 

 

・よかったねえ!

いろいろあって、安倍さんと真希は喧嘩してしまいます。

もう絶交な雰囲気でした。

しかし、喧嘩して悪いムードになっているにも関わらず、

安倍さんは真希の仕事が再開する事に、嬉しそうに喜びます。

そのシーンです。

このときの真希の顔がたまりません。

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(この絵だとアレですけども、感情の描写が素晴らしいのです) 

 

 

・安倍さんと日山の握手

安倍さんが「健闘を〜」と言って握手をします。

これが何の握手なのか、あまり考えずにいたのですが、

これは別れの握手なのではないかと思いました。

別れというか、諦めというか、そういった終わりを確認するためのものではないかなと。

思いました。

手が離れたところなどもとても丁寧に描かれていて、さわやかなシーンです。

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(この前後に丁寧に描かれております)

 

 

・キスぐらいしときゃあよかったぁ…

上記の握手の後、安倍さんはそう言って、ちょっと泣き笑います。

そこに、今真希と日山が二人でいるシーンが挟まれています。

この場面はなんというか、読んでみてくださいとしか言えないですね…。

とりあえず、アウトラインが飛ばされている光の表現がきれいです。

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(光のところです)

 

 

・最後の1ページ

最後のページは各キャラクターのこれまでの一場面ずつが切り取られて配置されています。

このシーンのチョイスがとても素敵です。

一つずつ見るとなんでもない場面なのですが、その響きが素晴らしい。

この漫画を象徴している気もします。

「彼らの日常と、ほんの少しの特別なこと」

それがこの漫画では描かれていたんだなと思いました。

それと、最後の話は安倍さんの母親への手紙に沿って進んでいくのですが、

その進め方がとてもかっこいいです。

ぜひとも、その目で確かめてください。

 

 

 

 

はい!

 

そんなわけでいろいろ書きましたが、とても良い漫画です。

 

オススメしたい中の3割くらいはお伝えできたかと思います。

 

多分古本屋で100円くらいで売ってると思うのでお買い求めください。

 

それでは、また。

 

次回!