2013.08.05
基調音 〜煮物の音〜
こんにちは、城崎です。
八月に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私の住んでるところでは、曇りや雨の日が多くてなかなかすっきりしません。
太陽が恋しいです。
洗濯物が泣いています。
(´;ω;`)
今日は、「音」について、書こうと思います。
普段生活しているなかで、無意識に耳にしている音があります。
そういった音を、基調音と言うらしいです。
しかし、どんなものかと思ってその言葉で検索すると、
「おと・な・り」という映画がいっぱいヒットします。
V6の岡田准一さんと麻生久美子さんが出ている映画で、
隣に住んでる人の音が心地よくて、なくなったら寂しくなって、
それが恋になってそれから…みたいなちょっとストーカーの雰囲気もある…
そんな話だったと思います。
観たのは昔なのでぼんやりとしか覚えていません。
まぁ、この映画についてはどうでもよいのですが。
とにかく、そういう普段の生活で自然に鳴っている音が、あります。
電車の音とか、車の音とか、近所の子供の声とか、川の音とか、信号の音とか。
人によって様々だと思います。
この基調音について、考えるきっかけとなった出来事がありました。
先日、というか、引っ越しをしてから煮物を作ることが何回かありました。
大根とか鶏の手羽中とかをぐつぐつ煮込む感じです。
手羽中おいしいのです。
作り始めの頃、どうしても大根がやわらかくならず困っていました。
水が足りないのかなんなのか。
どんなに長い時間煮込んでも固さはそのままで、どうしたものかと思っていました。
レシピ通りに作ってもあんまり変わらない。
そんな日々が続いていました。
しかし、あるとき、火力をちょっと強くしてみたら、聴き覚えのある音がしてきました。
それは、実家の夕飯の音でした。
母親が煮物を作る、グツグツという音と、同じ音が聴こえてきたのです。
結果、その火力で作った大根の煮物は柔らかく出来上がりました。
大根が固かった原因は、レシピに中火で、とか、弱火で、とか書かれていたのですが、多分その火力が弱すぎたからでした。
そのときに、なんだか感動したのです。
いつも意識せずに聴いていた音が、ひょんなところで顔を出して、私を助けてくれました。
きっと、このような感じで、無意識に通り過ぎていったと思っている物事も、記憶に残っているんだろうな、と思いました。
良い事や悪い事、大切な事やどうでもいいこと、その事の内容に関わらず、どこかで覚えているのだと感じました。
また、別の音で思い出すのは、電子レンジのお皿の音です。
電子レンジの回転皿にお皿を乗せるとき、コトッという音がします。
それがどこかの家から聴こえてくると、私はまた実家を思い出します。
実家のキッチンと私の部屋は一階と二階で離れていて、キッチンの音が家の中からではなく、窓の外から聴こえてきました。
多分、その、音の鳴る距離みたいなものも、記憶を呼び出す鍵になっているのでしょう。
そろそろ夕飯の時間だ、と思うのです。
そんな事に気付かされた、最近の音でした。
あとは、ラジオで野球の実況 中継を聴くと夏だなって思ったり。
消防車の鐘が鳴るとクリスマスを思い出したりします。
また今回の煮物の音のように、自分の中に残っている音と出会えたら良いな、と思います。
それでは、今日はこんな感じで。
お元気で。
一応、「おと・な・り」の予告置いておきますね|`-´ )っ 。
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